アンガーマネジメントって本当に効果ある?

介護の現場で働きながら、二人の子供の育児に奮闘しているケアマネジャーです。

みなさんは、自分自身を怒りっぽい性格だと思いますか。怒りっぽい性格がゆえに、「私はこの仕事に向いていないんじゃないか」と思ったことはありませんか。

仕事や育児において、私は毎日何かにイライラして怒っては、イライラしてしまった自分に落ち込むということを繰り返してしまいます。「こんなことでイライラするなんて、なんて私は心の小さいやつなんだ」「私は子供に怒ってばかりのダメな母親だ」そんなふうに自分を責め、自己嫌悪に陥ってしまいます。

数年前に「アンガーマネジメント」という言葉をある介護の研修で勉強しました。そこからアンガーマネジメントに興味と期待を持ち始め、アンガーマネジメントに関する本を読んだり、研修を受けてみたりしました。「今度こそ怒りっぽい性格を直して、いつも穏やかなケアマネジャー、優しい笑顔のお母さんになりたい!!」そう意気込んで。

さあ、そんな私、アンガーマネジメントに関する本やネット情報から知識を得て、これまでに変化はあったのでしょうか?

答えはノーです。

後輩ケアマネが何度か同じ質問をしてきたらイライラし、利用者が自分の提案に聞く耳をもってくれないと不機嫌な表情をし、二人の子供(3歳・1歳)が夜なかなか寝ず布団の上でふざけて遊んでいると、怒鳴り散らし・・・もう書き始めると悲しくなってきました。散々なものです。

怒りっぽい私の性格は、変われないのでしょうか。アンガーマネジメントなんて意味のないことなのでしょうか。

簡単に解説!アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは、怒らないことではなく、「怒りをコントロールする」ことを目的としています。自分の心の中に生まれた怒りの感情にふたをして、怒りの感情を抑えてストレスをため込んでしまうのではありません。怒りを否定してはいけないのです。

怒りと適切に付き合って、コントロール下におくこと 

これがアンガーマネジメントを学ぶ重要ポイントと言えます。

怒りっぽい性格の私が分析!なぜ私はアンガーマネジメントを活かせないのか。

アンガーマネジメントを学んだはずの私が、なぜ数時間後に怒りを爆発させてしまっているのか、考えられる原因をあげてみまた。

  • 本は読んだだけ、実際には何も行動していない
  • 数回試しただけ、そしてうまくいかないとすぐに諦める
  • 怒りで相手を支配しようとしている
  • 怒っている自分が正しいと思っている

本は読んだだけ、実際は何も行動していない

怒りを感じたら6秒待つ、怒りのレベルを評価する、「今、この場所」に意識を向ける、アンガーログをつけるなどなど…

これらのテクニック「もう知ってるよー」という人、たくさんいると思います。私もアンガーマネジメントに関する本を手に取り、「またこの話?もう知っているわ」なんて心の中でつぶやいたことが何度もあります。

さてここで質問です。みなさんは、それらのテクニックを実際に試してみたことがありますか?私はそれっぽいことはしてみたことがありますが、書かれているテクニックを本のとおりに実践したことがこれまでありませんでした。怒りを感じたときは6秒くらい待ったかな?実際に数えてないから3・4秒だったかもしれません。そんな程度です。

なぜ実践しないのか。その原因は「そんなありきたりなことやっても一緒でしょ、変われないでしょ」「なんか面倒くさいなー」といった思いが根底にあります。第三者の誰かから、本気で変わる気がないんでしょと言われても、言い返す言葉がありません。

本を読んで学んだ気になり、今度こそ変われるような気がして勝手に興奮し、数秒後には怒ってしまい自己嫌悪に陥る、そんな私は、実際に何もしていな、ただ本を読んだだけなんです。

巷ではアンガーマネジメントに関する本がこんなにもたくさん出版されているのに、怒りっぽい人は怒りっぽい性格のまま変われないんでしょう。そこに書かれているテクニックに効果がないから?いえ、違います。テクニックは使わなければ意味がありません。そんなの当然のことなのに、「次こそは変われるんじゃないか」と本に期待を寄せて、また同じような本を手に取り、また読むだけ、自分は何も始めていない人がほとんどだからです。だから次の日の自分も怒りっぽいんです。

数回試しただけ、そしてうまくいかないとすぐ諦める

これではいけないと思った私は、今週に入り一つのテクニックを実践することにしました。怒りの程度を評価する、「今イラっとしたのはレベル2ぐらいかな」といった内容です。実践し始めて3日目、今心が折れかけています。だって何も変わらないから。

これをきいてみなさんならどう感じますか?「まだ試して3日でしょ。3日で効果でるわけない。そんな即効性あったら世の中に怒りっぽい人なんていなくなるっているはずだ」と思うのではないでしょうか。

そう、他人のことはそうやって冷静に分析できるのに、自分のこととなると、数回やってみてダメだったら「ああ、やっぱり私は変われないんだ」と諦めてしまうんです。他人のことはわかるのに、自分のこととなると分からない、不思議ですね。

「いつも穏やかで冷静なケアマネジャー」「いつもにこにこ笑顔の優しいお母さん」この理想の姿にたどり着くには、何年、何十年、ここからの人生すべての時間をかけて取り組まなければならないのでしょう。長い年月をかけても周囲からみるとやっぱり私は怒りっぽい人であり、何も変わっていないように見えるかもしれません。

でも『諦めたらそこで試合終了』です。ここで行動することをやめたら、また元の私。周囲が私の変化に気が付かなくても、自分にだけわかる小さな変化に喜びを感じながら、愚直に日々取り組んでいくことが何よりの近道といえるでしょう。反復練習です

怒りと向き合うということは、それほど人生をかけて取り組まなければならない課題であり、取り組む価値がある課題でもあるとも言えるのではありませんか。

怒りで相手を支配しようとしている

身近な人に対して、怒りをぶつけてしまうことが多い、みなさんはそんなことありませんか?特に私は夫、子どもに対して不機嫌さを爆発させ、「私怒っているよ」と言葉に出さずとも雰囲気を醸し出してしまうことが日常茶飯事です。

でも、家の中でそんなふうに振舞っていても、外に出てご近所の人とすれ違うときには、少し優しい口調に戻っている、義父母が家に来た時には、優しい嫁に変われている、それができるのが私です。そう、コントロールできないわけではないんです

ではなぜ、コントロールできるはずなのにすぐに怒ってしまうのか。「怒ることで相手が自分の思うように行動してほしい」つまりは「相手を支配したい」からでしょう。

子どもがふざけて言うことを聞きません。「いい加減にしなさい!」と怒鳴ります。すると子供は「お母さんが怒った。やばい。このぐらいにしてやめておこう」と思い、ひとまず母親の言うとおりにします。怒って相手を威圧して、相手が自分の言いなりになることを望んでいるのです。そしてそれは身近な相手にほどやってしまいがちな行動、そう私は相手に、子どもに甘えているともいえます。

こうやって書いてみると、私はとんでもない愚かな独裁者ですね。。。

怒っている自分が正しいと思っている

「ケアマネジャーとして私は正しい。この提案を利用者は受け入れるべきだ」「子供がいけないことをしているのだから、怒って当然でしょ。私は正しい」

先の「相手を支配しようとしている」にも重なるところがありますが、正しい自分を相手に認めさせたいという感情が、怒りにつながっていることを忘れてはならないと思います。怒ることで相手に「あなたは間違っている。私が正しいのです」と。ここでは、私の意見が正しいかどうかは問題ではありません。だって正しいかどうかの判断自体、私がしているものですから、当てにならないですよね。相手にとっては私の意見は間違っているかもしれません。

結局はみな「自分が正しい」という感情が根底にあります。だからそれに同意してくれない相手に怒りを感じるのです。

まとめ

ここまで、なぜ私はすぐに怒ってしまうのか、アンガーマネジメントが活かされないのかの原因について書いてきました。

こうやって原因分析することの行為そのものが、怒りをコントロールすることの練習になっています。私は怒りっぽい性格を直したい、変わりたいんです。

数年後の私が、怒らない穏やかな人間になっているかはわかりません。何も変わっていないかもしれません。

でも絶対変われるという根拠のない自信をもって、今ここからの行動を変え、継続していくことでしか、変われる突破口はないのかもしれません。

今同じような悩みで苦しんでいるみなさん、勇気をもって今行動です、一緒に頑張りましょう。

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