遠距離でもできる！親の“できる”を支える｜ケアマネ直伝・介護予防５つの実践法

〜できなくなったことより、“今できていること”に目を向けて〜

ある日、電話越しに母から「最近バスが怖くて…」と言われ、胸がざわつきました。

大阪で夫と小中学生の2人を育てながら働く42歳のまゆさんも、まさにその一人。
遠く離れて暮らす親の変化は、見えにくいぶん心配も大きくなります。
離れて暮らす親の小さな変化に気づくたび、「そろそろ介護かも？」と不安になりますよね。

でも、焦らなくて大丈夫。
介護の始まりは、“できない”を数えることではなく、“まだできる”を見つけることから始まります。

現役ケアマネジャーの私が、まゆさんのように遠距離で親を気にかける人へ向けて、今日からできる“親のできる力を支える５つの実践法”を紹介します。

読み終えるころには、「まだ間に合う」「今できることがある」と前向きな一歩を踏み出せます。

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①「まだできること」を見つけよう｜介護予防は気づきから始まる

できないことではなく、今できていることに注目することで、親の意欲が蘇ります。

🟢たとえば…

💬実例

以前担当した女性（80代）。趣味の詩吟だけは続けていた彼女に、“その時間を大切にしましょう”と伝えたところ、地域の詩吟教室に参加するようになり、外出への不安が自然と減ったのです。

👉誰でも年齢を重ねても、“できること”を続けたい気持ちを持っています。
“できない”に注目すると不安が増しますが、“まだできる”を見つけると、関係がやわらかく変わります。

②家の中がジムになる｜親の介護予防に効く“生活リハビリ”のすすめ

運動のための運動ではなく、生活そのものをリハビリに変える視点をもちましょう。
難しい運動ではなく、「日常動作を意識して続ける」ことが効果的です。

🟢たとえば…

たとえば、自宅から少し遠いスーパーに行く、
よく使うものを「立ち上がって取りに行く場所」に置くなど、
無理のない“生活リハビリ”で自然と活動量が上がります。

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③孤立を防ぐ“つなぐリハビリ”｜地域と趣味を味方に

身体だけでなく、心の元気を守るには“人とのつながり”が欠かせません。
家族だけで抱え込まず、地域・友人・趣味の力を借りましょう。

🟢たとえば…

💬実例

以前担当していた男性（70代）。外出を嫌がるようになりましたが、家で料理をすることが楽しみの一つでした。地域の「男の料理教室」に参加し始めたことで、笑顔が増え、血圧も安定。
娘さんが情報を調べて「お父さんに合いそう」とすすめたとのことでした。

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④介護保険外のサポートで“自立を守る”方法

介護認定を受けていなくても使えるサービスが、実はたくさんあります。
まだ介護保険を使うほどではないけれど不安”という方にこそおすすめです。
「頼る＝負け」ではなく、“自分でできることを増やす”ためのサポートと考えましょう。

🟢利用しやすい介護保険外サービス

• 安否確認つき配食サービス
• 家事代行・買い物代行
• 民間の送迎や付き添い
• 見守りセンサーやスマートスピーカー

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⑤声かけが“心のリハビリ”になる｜親の自信を育てる

親の自信を支える最大の力は、子どもの声かけです。
「まだできるね」「今日もありがとう」という言葉が、‟明日も頑張ろう”という気持ちを育てます。

🟢遠距離でもできる関わり方

• 孫の写真や動画を送り、会話のきっかけにする
• 週に1回の電話で「今週のいいこと」を聞く
• 「お母さん（お父さん）がいてくれるだけで安心」と伝える
• LINEで「今日も散歩行ったよ」と報告してもらう

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🟦まとめ｜“今の親”を尊重することが、最大の介護予防

老いていく親を前にすると、悲しさや不安が押し寄せます。
でも、受け止めることは、諦めることではありません。
それは、「今の親を尊重し、これからの生き方を応援する」という選択です。

できなくなったことより、「まだできること」に光を当てて、
あなたとご両親の”これから”を一緒に育てていきましょう。