ーーー認知症やフレイルの初期サインも見逃さない!ーーー
最近、電話越しの母の声が少し弱々しく感じる。
「前より元気ないかも?」「料理、あんまりしてないのかな…」
そんな“小さな違和感”が積み重なると、不安はどんどん膨らんでいきます。大阪で仕事と子育てに追われるまゆさん(42歳)。
母の変化を電話越しに感じ、不安を募らせていました。
遠く離れて暮らす親の変化は、見えにくいぶん心配も大きくなります。
実は、
「あれ?なんか違う」と感じた瞬間こそ、介護予防のゴールデンタイム。
ここで正しく動けるかどうかで、今後の生活が大きく変わります。
この記事では、現役ケアマネジャーの私が
今日からできる“親の変化に気づいたときの5つの行動”をわかりやすくまとめました。
🔷 まずはチェックしよう!簡単にできる”5つの変化チェック”
親の変化は、毎日見ていないと気づきにくいもの。
でも、最初の小さな違和感を見逃さないことが、介護予防のいちばんの近道です。
実家に帰省したとき、電話したとき、ビデオ通話のときなど、数分で確認できます。
✔︎ 今すぐできる「5つの変化チェック」
※参考:日本版CHS基準(J-CHS基準)
✔︎ 判定の目安
- 1~2つ当てはまる→「フレイル予備軍」の可能性
- 3つ以上に当てはまる→「フレイル」の可能性があると言われています
※参考:日本老年医学会「フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント」
🌱 やさしいフレイルの説明
フレイルとは、
「健康と要介護のあいだ」にある“ちょっと弱ってきた状態”のこと。
ただ、安心してください。
フレイルは 早めに気づけば、十分に戻せる と言われています。
だからこそ、今回のチェックがとても大切なんです。
✔︎ チェック結果の受け止め方
項目に当てはまったとしても、
「見つけられた」時点で大きな一歩です。
ここからは、食事・運動・受診など、今日からできる小さな行動につなげられます。
むしろ今気づけたことで、
・食事
・運動
・受診のタイミング
など、できる対策がたくさんあります。
次のパートでは、
チェックで気づいた小さな変化を、そのままにしないための“具体的な5つの行動”
をお伝えします。
🔷 小さな変化を見つけたら|最初に行うべき5つのステップ
① 歩行・食事・薬…「気になること」をメモする
親の小さな変化は、あとから思い出そうとしても忘れてしまいがち。
まずは気づいたことを短く、事実だけメモしておきましょう。
✏️ メモの例
- 「1日3食 → 2食に減った」
- 「ご飯を半分残すようになった」
- 「薬を1週間で2回飲み忘れていた」
- 「歩くスピードがゆっくりになった」
この“事実メモ”は、後の受診や家族内の共有にとても役立ちます。
② バイタル(血圧・体重)を“1週間だけ”記録する
毎日測るのは本人にも負担。
まずは1週間限定でOKです。
この1週間のデータだけで、体調の傾向が十分に読み取れます。
🔹 離れて暮らす場合の “ラクな共有方法”
- スマート体重計(自動で家族に共有される)
- アプリ連動の血圧計(グラフ化され、医師にも説明しやすい)
- 測った画面をLINEで送ってもらうだけの簡易方式
負担にならず続けやすい方法を選びましょう。
③毎日の“食べた量”を軽くチェックする
食事チェックは、細かく把握する必要はありません。
見るポイントは次の3つだけ。
- 主食(ごはん・パン)をどれくらい食べているか
- 主菜(肉・魚)が残っていないか
- 野菜が極端に少なくなっていないか
遠距離の場合は、
写真をLINEで送ってもらうだけでも、低栄養のサインが十分に分かります。
🔸 低栄養のサイン例
- おかずを残すことが増えた
- ゼリーや菓子パンだけで済ませる
- 昼食を抜いている日がある
- 体重がゆっくり減り始めている
📒テンプレートはこちらからダウンロードhttps://docs.google.com/document/d/1w0kHof0jqX_BiVULhAufsIbmVe7eHxuOENgHYQWdeO8/edit?usp=sharing
気づいたら、後述の「受診メモ」に反映させましょう。
④次の受診で医師に伝える“受診メモ”を作る
「離れているから受診に付き添えない…」
という人でも大丈夫。
医師に渡す“簡易メモ”をつくるだけで、診察内容が大きく変わります。
書く内容はたった3つだけです。
✏️ 受診メモに書くこと(これだけでOK)
- 前と比べて変わったこと
(例:歩く速度、食べる量、薬の飲み忘れ) - 1週間のバイタル・食事の様子
(写真があれば添付も可) - いま心配していること
(歩行・栄養・家事が負担など)
📒テンプレはこちらからダウンロードhttps://docs.google.com/document/d/12COUg0VrTe9FQ_hOb7o3lwmwno0oK4PQFYc_D7Laazg/edit?usp=sharing
💡 メモがあると、医師から次のような提案が出やすくなります
- 栄養強化(宅配食・補助食品)
- 低栄養対策
- 自宅でもできる運動提案
- 生活リズムの整え方
- 栄養士・歯科・リハビリ専門職への紹介
あなたが同席できなくても、
“情報の質”がそろえば医師は正確な判断がしやすくなります。
⑤ 歩く量が減っているなら“生活リハビリ”を追加する
リハビリと聞くと大変そうに感じますが、
毎日の生活の中で「少しだけ身体を使う時間」を作るだけで十分です。
親本人が無理なく続けられる内容なので、遠方で暮らす子育て世代のあなたも、記録やサポートとして気軽に関わることができます。
🏠 家の中でできるカンタン生活リハビリ
- 郵便物チェックを本人の役割にする
- 朝だけ家の周りを1周する
- 台所で立ち座りを1回だけでも必ず行う
- ひと駅分だけ歩く、を週に1回から始める
続けられる小さな習慣が、フレイル予防に直結します。
🔷 使える!実際の親子の会話例
5つのステップを実践しようとしても、
「親にどう切り出せばいいの?」
と悩む人はとても多いです。
ここでは、よくある“言いづらい場面”で使える会話例を紹介します。
❌ NG例
相手を「弱い存在」として扱う言い方は、反発を生みがちです。
- 「もう年なんだから…」
- 「ちゃんとできてるか心配だから見ておきたいんだよ」
※否定・心配ベースの言い方は、「自分でできる」という気持ちを傷つけやすい。
⭕ OK例
親の 尊厳を保ちながら、“一緒にやる”スタンス を伝えるのがポイント。
- 「今のうちにできることがあるか、先生に少し相談してみよっか?」
→ “心配”ではなく、“予防”を理由にすることで前向きになりやすい。 - 「ずっとじゃなくて、1週間だけ“検査”みたいに記録してみない?」
→ “期間を区切る”ことで、ハードルを下げられる。 - 「お母さんのペースでいいから、一緒にやってみよう」
→ 親の自立を尊重する姿勢が伝わる。 - 「私も知っておきたいから、少しだけ教えて」
→ “お願いベース”は受け入れられやすい。
必要なのは、「できていない部分」を指摘することではなく、
“一緒に考えたい”“あなたの力になりたい” という姿勢です。
このスタンスがあるだけで、親は安心して話してくれやすくなります。
💬私が実際に親に提案したリアルなセリフ
「もし体調や生活で困ったことがあったときに備えて、今の状況を少し教えてもらえると助かるな」
🔷 1週間後にどう判断すればいい?
1週間、食事の記録やバイタル、気になった様子をメモできたら、
次は 「どの変化がどの行動につながるか」 を判断します。
✔️ 特に大きな変化なし
→ 今の生活でOK。引き続き“月1回”ほど見守りチェックを。
(※「何もなくてよかった」と自分も親も安心できる時間に。)
✔️ 小さな変化がある
体重減少・疲れやすさ・ふらつきなど、軽度でも何か気になることがあれば
→ かかりつけ医に相談。
事前に 1週間のメモ を見せると、医師は判断しやすくなります。
✔️ 栄養不足・歩行力の低下が疑われる
→ 宅配食の活用/栄養補助食品(高カロリーゼリー等)の追加 を検討。
食べられる量が少なくても、少しの工夫で体力は戻りやすくなります。
✔️ 日中の活動が減っている
外出が減った、横になっている時間が増えた、という場合は
→ 生活リハビリや短時間デイサービス・運動機会の確保 を検討。
(※要介護認定が必要になる場合は、地域包括支援センターやケアマネに相談。)
小さな変化ほど、早く動けると改善しやすいもの。
「1週間チェック」は、次の行動を決める大きな手がかりになります。
🔷 まとめ
親の変化に気づくと、不安が押し寄せます。
しかし、“気づけた今”こそが、一番のチャンス でもあります。
💡 ポイント
- 5つのステップは一度に全部やる必要はありません。まず1つだけ。
- 親に寄り添う気持ちが伝われば、それだけで安心につながります。
私自身も、電話や帰省時の会話の中で少しずつ様子を聞き出しています。
一気に質問する必要はなく、「あなたを気にかけている」という気持ちが伝われば十分」です。
この記事によって、
「今の状態を把握し、次にやることが明確になる」
そんなきっかけになれば嬉しいです。
あなたとご家族が、これからも安心して暮らせますように。

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